新型コロナウイルス感染症の主な伝播様式には、飛沫感染と微小飛沫(エアロゾル)感染、接触感染が挙げられます。飛沫は感染者のくしゃみや咳嗽によって口から排出される細かい水しぶきです。飛沫は水分を含んでおり直径5μm以上と大きく、口から放出された後…
SARS-CoV-2の反復感染には、複数の要因が考えられます。ウイルス側要因として、変異株受容体ACE2と結合するS蛋白質の変異が中和抗体への反応を妨げることによります。次に反復感染の際も多くの場合、ワクチン接種後半年後には抗体価は1/10に低下しているとい…
現時点では既感染者に対する3回目のブースター接種の意義に関して明確なエビデンスは得られていないようです。しかし、連続ワクチン接種群が既感染者と比較してCOVID-19罹患予防効果が高かったという報告(1)や、既感染者がワクチン接種を行うことで産生され…
【オミクロン株に有効な薬剤について】 1) 中和抗体製剤 現在本邦で使用可能な中和抗体製剤は、カシリビマブ・イムデビマブ、ソトロビマブの2種類です。査読前論文によると、オミクロン株には前者はほぼ無効であり、後者はデルタ株に対する効果よりやや劣る…
SARS-CoV-2流行時の肺機能検査では、検査そのものを必要最小限にとどめることが最も重要です。 やむを得ない場合の検査実施にあたり、現在様々な推奨が出されていますが、検査前のPCR・抗原検査は必須とされておりません1) 2)。しかし無症候性COVID-19患者の…
厚生労働省の指針では、ファイザー製およびモデルナ製のワクチンともに「2回の接種が必要」と明記されています。未接種者に関しては速やかに1回目接種を実施し、前者は3週間後、後者は4週間後、2回目接種を行います。3回目接種は厚労省の指針に従い、医療従…
呼吸困難感はLong-COVIDの症状の中でも頻度が多い症状です。日本呼吸器学会が研究事務局となって行った「COVID-19後遺症の実態調査(中等症以上)」の中間報告において、退院後3か月目の時点で呼吸困難感を訴える患者は29.3%と筋力低下(50.4%)についで2…